1.式典の意義
●建物の着工から竣工までには、地鎮祭に始まり落成式にいたるまで、いろいろな式典が行われます。
●地鎮祭は竣工の無事を祈願する式典で、社屋や工場などの建設工事に着工する前に行われ、土地の神々の霊を鎮めるための式典です。
●竣工式は建物の無事完成を神々に奉告し、感謝するとともに、「建物の堅固安全」と「施主の永遠の繁栄を祈願する」式典です。
2.式典の種類
式典には
●地鎮祭 (工事着手のまえ)
●起工式 (工事着手のとき)
●立柱式 (柱を建て始めるとき)
●上棟式 (棟上げのとき、鉄骨建方完了のとき、
またはコンクリート打ち完了のとき)
●定礎式 (仕上げ工事着手の前後)
●修祓式 (建物が完成したとき)
●竣工式 (建物が完成し、使用し始めるとき)
●落成式 (竣工式終了後)
●竣工披露 (落成式終了後)
があります。このほか
開所式・開通式・火入式・点灯式・除幕式
などがありますが、工事の種類・建物の規模などによっては、
省略する場合や簡略化する場合もございます。
3.式典の形式
式典の形式には、神式・仏式・キリスト教式などのほか、最近は宗教にとらわれないものなど、いろいろな形式がありますが、一般的には神式によることが多いです。
これには古くから伝承されてきた一応の基準がありますが、地方による習慣の違いや、神道各派による違いもあり、さらに、建物の規模・工事の種類のほか、関係者の考え方などによっても多少の相違がでてきます。
4.式典の計画
まず式典(神事)の執行日時を決定します。日時は施主をはじめ、関係者の意向に従って決定します。
日取りを決める際に六曜(ろくよう)の先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口から「大安」・「先勝」・「友引」を選ぶのが一般的です。
しかし、六曜は古代中国の占いの一種で、仏教と神道とは何ら関係性はなく、大安も仏滅も本来は関係ありません。
慶事であるので、縁起を担いで暦の「大安」を選ばれる場合が多いです。時間帯としては、昼前に行うのが原則です。10時あるいは11時からが一般的で、やむを得ず午後に執行した場合でも、13時からというように、日の高い時間帯に執行します。
また、俗信では、神仏祈願に良い曜日としては月曜日、開店や開業に吉とされているのは木曜日、新築は土曜日が適しているといわれています。
なお、下記は六曜(ろくよう)と日取りの吉凶になります。
六曜 | 吉凶 |
先勝(せんしょう・せんかち) | 諸事急ぐこと及び訴訟ごと吉、午後凶 |
友引(ともびき) | 朝夕は祝いごとに吉、正午のみ凶 |
先負(せんぶ・せんまけ) | 諸事静かにする方がよい、午後大吉 |
仏滅(ぶつめつ) | 移転・閉店など何事にも凶、口舌を慎しむべし |
大安(だいあん) | 移転・旅行・婚姻・普請などすべてに吉 |
赤口(しゃっく・しゃっこう) | 何事にも朝夕は凶、正午ごろのみ吉 |